きむさんは映像の制作をなりわいとしていて、テレビ番組の演出も請け負う。テレビ局から直接仕事をもらうのではなく、番組制作会社から依頼が来て仕事が発生する。企画から関わることもあれば、すでに企画は決まっている場合もあるが、ロケハンをして取材対象を決めて取材撮影をして編集をして、局からあーだこーだ言われたりすることもあり、それはそれは膨大な仕事量だとわかる。なんせ、以前、制作会社で働いていましたから。
今年は初日の出の撮影があったので、元旦から休みは皆無。先月から数えるほどしか家に帰っていない。目下、徹夜5日目だそう。デザイナーのSさんと打ち合わせしていても忙しくてぜんぜん寝ていない、と聞いたりする。裸一貫、自営業で、組織に属さずに仕事をするということはそういうことなのだ。仕事があるというだけで幸運なご時世。対照的に、週休2日が約束されていて、残業すればその分の手当がついて、有給休暇があって、一応は安定しているという仕事がある。そりゃその方がいいなあと思う若者が多いでしょうに。映像制作が次世代に受け継がれない仕事になっては困るんだけど。それにしても、もうちょっと自分の時間も持てないと、映画の一本も見れないような乾いた日々にいい仕事が成り立つのかなあと心配になる。若者にも夢が描ける職業であってほしいと願わずにはいられない。
しかし、きむさんの日常からみると、ごはんを3食食べて、毎日お風呂に入っておふとんで眠るということがとても貴重でありがたいことだなあと思えて来る。やれやれ。
だいたい、私は、もう徹夜なんてできないよ。
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