麹町で打ち合わせの後、中央線ぐぐっと西の昭島へ。東京は東西に細長く、気候風土も違うなあとしみじみ思う。写真は昭島の駅から5分くらい。畑でおばあさんが玉ねぎの世話をしていた。玉ねぎの隣りの緑は何だろう。おばあさんに聞いてみた。
「すみませーん、これはからし菜ですか?」「菜の花ですよ。からし菜みたいだけど、これは観賞用の菜の花。食用つくっても、お父さん(夫のことだと思う)も亡くなって、食べる人がいないから、観賞用にしてみたの。ちょうど桜の時期に咲くから、桜と合わせてきれいかなあと思ってね」 玉ねぎの手を休めて、教えていただいた。
菜の花の畑に紅葉して落ちているのは桜の葉。見上げると大きな桜の木があった。
満開の桜と菜の花畑の、桜色と菜の花色のコントラストがやわらかな春の風景を想像して、おばあさんは菜の花を植えた。お父さんに見せてあげようって思っているのかなあ。ちょっと胸がきゅんとした。
駅へ向うと、野菜の自動販売機。指田さんの生しいたけと新鮮野菜が並んでいる。中をのぞくと、野菜に100円玉が添えられている! 何だろう。まじっと見る。
ははん。この販売機は200円にしか対応していなくって、200円以下の野菜についておつりを野菜に添えているんだ。この小松菜は100円だから、100円のおつり。
こっちのネギは150円だから50円のおつり。なーるほど。おもしろい。しいたけはおつりがないので200円。どれもこれも安い!
畑のある風景、ほっとする。桜の時期にきっとまたここを歩こう。忘れないように、ちゃんと思い出そう。そしておばあちゃんとおしゃべりをしよう。