おじゃました取材先が、ずっと行きたいなと思っていたお店だった。店主と名刺交換をした後、本題に入る前、なぜか唐突に近くのギャラリーでやっている展覧会Ausstellungのはがきをいただいた。すっごくおすすめ展覧会なんだろうなあと直感。
「納豆のパックやヤクルトの容器に草花を生けたりして、とってもいいのよ」 。おしゃれでおいしいパン屋さんが地下にあるビルの2階ギャラリーでやっていて、「帰りに寄ろう!」と決めて仕事に取りかかった。そしたら取材中、お店の前を大きな袋持った女性が、タタタタと通り過ぎがてらこっちに向かって手をふる。店主も手をふる。つられて私も。「さっきのはがきの展覧会やっている彼女よ。いってらっしゃい〜」。あれ、どっかで会ったことがあるような気がするのだけれど、、、。
吉祥寺から取材車で移動して田無のお店へ行き、再び電車で自転車を取りに吉祥寺へ戻った。そして、ちょっと道草。ギャラリーへ。
小さなお花、小さないのちがいっぱいで、かさかさと乾燥していた気持ちにお水くれたみたい。マッサージ屋さんみたいな展覧会。至福の道草。
彼女と会えるかなと期待したけど、いなくて残念。どこかで会ったことがあるような気がしたのは、気のせいかどうか確かめたかった。
地下のパン屋さん、3年ほど前に取材させてもらった。が、しかし、残念ながらパンの本はお蔵入り。思い出すたびに、ぐさっと心が痛い。本来取材は断っているところを、かなり無理を言って受けてもらったのにもかかわらず、、、、。ああ、ぐさっ。お蔵入りのせいで、行く度にあやまっているパン屋さんもあるし、申し訳なくて行けないパン屋さんもある。ぐさっ ぐさっ。
ずっと行きたかったお店は、思っていた以上に好きになってしまった。カメラマンさんが、すっかり客気分でカウンターに座ってメモしている私の後ろ姿にカメラを向けた。撮影されているとわかった瞬間、背中が焼き石になった。編集のOさん、どうかボツにしてください。