かりんとう屋さんは、秩父鉄道秩父線小*田駅から徒歩15分。荒川の川のほとりにあった。湘南新宿ラインで熊谷まで出て、そこで秩父線に乗り換える。秩父線のホームはなんだかわさわさしていて、盛り上がっているという雰囲気だった。なんだよこりゃお祭り?と思っていると、汽笛とともに蒸気機関車Dampflokomotiveが入ってきた。
秩父線ってまだ蒸気機関車なのだ、ではなくて、夏のイベントで昔懐かし蒸気機関車を走らせているのだった。私が乗るべき「三峰口」行きはもうすぐ発車だったが、瞬時に鉄子と化した私は、カメラを取り出し走り寄りパチリ。よーく見ると、ホームの祭客は親子連れと鉄ちゃんたちだった。
無事取材を終えて、再び熊谷駅。のどかな秩父線に別れを告げて、JRのホームへ。湘南新宿ラインが10分遅れだとアナウンスが入る。風でアナウンスがとぎれとぎれで「*********のため安全を********移動して*********」2度目のアナウンスで「******が侵入したため安全を確認してお客さまを他の車両に移動していただいていました関係で10分遅れて到着します」。ふーん、何やら入ったとな。3度目でしっかりと聞こえた。「スズメバチが1両目に侵入したため安全を確認して念のためお客さまを他の車両に移動〜〜〜」
さすが埼玉。のどかな田舎の熊谷の先だもの、スズメバチくらい侵入するでしょう。いいですよ、10分くらい待ちますよ。小田原行きのこの電車はそのままずっと10分遅れ。駅に到着するたびに事情説明のアナウンスが入るのだが、いつのまにかスズメバチということばは省略されていた。池袋では「1両目の車両内に異常がみられますため1両目のみ回送車両となっております。ご利用いただけません。ご理解ご協力お願いいたします」とさらっとしたアナウンスになっていた。そりゃ、池袋でスズメバチということばは、あまりにもリアリティがない。でも「異常がみられます」と「スズメバチ侵入」とではちょっと違うし、都会の人に夏の自然を感じさせてあげるためにも「スズメバチ」は省略されるべきでないなあ。ちょっと怖くて涼しくもなりそうだし。それにしても、熊谷の先のスズメバチが小田原まで連れて行かれるのかと思うと、なんだか気の毒。