かなり煮詰まっている。どうしてもひと息つきたくて、どうしても誰かがいれたコーヒーを飲みたくて、中道通りへびゅん。好きな喫茶店のかうひいや三番地さんの前で、えっ!? お店が、なくなってしまっている。うそうそうそーうそー!と心の中で果てしなく巨大な声で叫び、うろたえた。閉店って、閉店時間になったという意味ではなくて、お店そのものをたたんでしまったことだと解釈することを、心が拒否しつづけて、その間、たちすくんでいた。
とてもおいしいコーヒーをいれてくれる、無口だけれど、会うとほっとするマスターで、私がさんざん迷ってケーキを注文すると、「絶対食べると思ったよ」というような顔で笑った。店内は、特にこれからの季節、古いストーブが灯って、上にやかんがのって、しっとりといい感じになる。夜、ミーティングによく使わせてもらった。数年前は定休日にお店を借りて一日カフェをさせてもらった。多摩*びの取材でおじゃました直後に行った時は、「いつもの感じと違って、緊張してたでしょ」と笑われた。(そりゃ仕事ですから緊張もしますっ)2〜3ヶ月に一度くらい、ひとりで行って、小1時間充電。今日もそのはずだったのだけれど。
入り口の植木の枝に、レシートがささっていた。何かなと思って裏返して読んでみた。「長年楽しませていただいた好きな樹です。もし捨てるのであれば、お譲りくださいませんでしょうか?」達筆。名前と連絡先があった。
マスター、移転ですか? コーヒー、飲ませてください。どこへ行けばいいですか。