うーん。今日は大学の存在について考えてしまった。大学生を取材する仕事で、都内の某T大学を訪ねたのだが、一歩足を踏み入れてからずっとなんかしっくりこない。昨年リニュアールしたキャンパスが、ぶったまげるほど美しく贅沢なのだ。エスカレーターを幾機も連ねる校舎内移動なんて、学生なら階段行きなさいと言いたいし、竹の風景パネルが貼られた通路では、小鳥のさえずりの音が流れて、耳を疑った。何で必要? 野生の鳥が寄り付きそうにないキャンパスだからか? 学生センターは大病院かホテルのロビー並だし、女子トイレには個室風に仕切られた化粧コーナーが並ぶ。正直、やりすぎだと感じた。与え過ぎ。貧乏苦学生とか、ハングリー精神とかはまったく存在しない。
きれいにしなくちゃ学生が来ない時代。定員割れ大学多発時代において勝ち残るためには、豪華にして客を呼ばなければならないのだ。貧乏苦学生もハングリー精神も相手にしていない大学。
しっくりこなかったのはそのせいかなあと思う。とにかく居心地が悪い。
担当者が一番の自慢と言った巨大な学食も、「すげー」と声あげるほど。スパゲッティ、ビストロ風、日本の洋食風、和風、いろんな食種の業者が入ってて、好きなものを買って食べることができる。もうすぐラーメン屋も入るそうだ。
少し迷って、カレーにした。インド料理屋があったのだ。これは490円の野菜カレーランチ。サラダとマンゴーラッシー付き。ボリュームたっぷりのナンは、インド人が注文を聞いてから窯で焼き上げてくれる本格派。大学の食堂も、ここまできている。大切なのは、大学での勉強Universitätsstudiumの中味のはずなんだけど、それだけじゃだめで競争はだんだんエスカレートしていく。中味で選びたい客は、見極める力を持たねば、と思う。カレーはおいしかった。