東小橋幼稚園ばら組の時に、お昼寝がうまくできない私にスナガワ先生がこう言った。「じーっとしていたら、あたまのなかのくさりがひとつずつつながって、ねむくなっていくのよ」。以来、眠れないときは、あたまのなかのくさりをいっしょうけんめいつなげようとしていた。小学校高学年の時に不眠症みたいなことになって、くさりがつながらない夜中に、渡り廊下でつながっていたフミコさんの部屋のふとんに潜り込んだ。そしたら眠れた。しばらくそれが続くと、母が、眠れる薬をもらってきてくれた。オブラートに包まれた白い粉。それを飲むと、よく眠れるようになった。
後で聞いたのだが、白い粉はメリケン粉で、「カズエが夜中に来るとこっちが寝られへん」と困っていたフミコさんの仕業だった。
今はいつでもどこでも寝ろと言われたら1秒で眠れるのになあ、と、今朝目覚めてお布団の中でスナガワ先生の顔を思い出しながら記憶がふつふつと出てきたのでした。スナガワ先生、おとなになると、あたまの中のくさりというものは、すっかりいつでもつながってしまってしまうのでしょうか。くさりがさびてしまうとかあるのでしょうか。眠れなかったころが少し懐かしい。
携帯スピーカーをリサイクルでいただき、お布団のとなりに運んでリッスントゥザミユージック!できるかと思ったのに、1秒も聴けやしない。カモメみたいに白い色の、めがねみたいな顔したスピーカー。