雪の日曜日の昼下がりの図書館に、迷子の迷子の男の子がひとり。男の子は泣きもせず、お父さんとお母さんと一緒に来たけれど、いなくなってしまったと、かわいい目で訴える。「お名前は何ですか?」。にこっと笑って首を横に振る。「じゃあ、いくつかな?」。Vサイン。男の子の手を引いて、スタッフが図書館内を歩きまわったがわからないので、放送することになった。
ピンポンパンポ〜〜〜〜ン〜♪ 黄色い長靴の2歳の男の子にお心あたりはありませんか? 迷子のおたずねなんで初めてだ。ほどなくして、お父さん登場。男の子に向かって「あそこにずっといるって言ったじゃないか」とお父さん少し怖い顔になったけど。「子どもにとっては図書館は広いと思うんです〜。叱らないでくださいね〜」と言ったら、お父さん、優しい顔になった。そして、男の子にささやいた。「男じゃなくって、女ですって言いな」。えっ。オンナノコ?! ごめんごめんごめんなさい。てっきり男の子かと。もうすっかり思い込んでしまってた。ホントにごめんなさい。完璧に失敗。
ああ、きっと大人になっても図書館で迷子になって男の子に間違えられたと、家族の歴史に刻まれるのだろうなと、心チクチク。
それが、しばらくして、その親子が帰り際にカウンターに立ち寄ってくれた。そして女の子が元気に「さっきはありがとうございました!」って。うれしいひと言。今も心にこだましている。
節分でした。
深大寺の「福豆」。一袋100円。
雪舞うおもてに鬼は外。
太巻きののりのにおい残る部屋に鬼は内。
それから、年の数の豆一気。