南も北も、女が元気だった。
特記すべきは、那覇の去年開店したばかりのS店のSさん。電話で3日に行くと伝えたら「あーら、3日はおひなさまのお料理にしようと思っているのよ。お楽しみにー」とのこと。当日、ドアを開けると、店主はピンクのタンクトップでお出迎え〜。スナック? キャバクラ? 私、間違えたかしらと不安になる。でも、たしかにここだ。東京出身のかなりの美人さん、約30分間、台風で氾濫する川の流れの勢いで、店を開店するまでの波瀾万丈な20代を語ってくれた。夢と金と男がスクランブルする中に、一本ズバッと通っていたものが料理で、私のごはんを食べてもらう店をやる!と決めてからさらに接客を学ぶために、銀座で働いたというのも感心した。
価格設定が、手頃かなあと思ったら、ボトルキープの値段にのけぞった。高い!
理由はこうだ。
「お金ある人は、ボトルがいくらとか気にしないからどんどんもらっちゃう。でも、貧乏な旅人とかには安く提供できるようになっているの」。あけっぴろげに、表裏なしにしゃべる超美人、隣りでしゃべる横顔見ながら惚れ惚れした。かなり異質なおいしいごはんの店であることはたしか。
スタッフの女の子は産地によく行くらしく、「明日は田植えなんです」と。へ? 田植え? そっか、沖縄は田植えの季節なんだ。
島豆腐の白和え(島人参入り)、旬のトマト、裏が紫の葉っぱ「ハンダマ」のサラダなどなど
蛤のお吸い物と、ちらし寿司もセットになっていた。